☆☆☆☆☆黄金の20人☆☆☆☆☆
1横溝正史 「獄門島」「本陣殺人事件」「八つ墓村」
探偵小説界の神、おどろおどろしい本格探偵小説の傑作を沢山生みだしました。映像化作品も多く、日本を代表する名探偵金田一耕助が活躍します。読みだしたら途中で止められない作品が目白押し。
2高木彬光 「刺青殺人事件」「人形はなぜ殺される」「誘拐」
本格探偵小説の大技を沢山見せてくれました。初期は、名探偵神津恭介が活躍する本格探偵小説、ついで「白昼の死角」等経済ミステリーから法廷物まで、最後は神津恭介復活と墨野隴人シリーズへ原点回帰、沢山楽しませてもらいました。
3江戸川乱歩 「陰獣」「孤島の鬼」「化人幻戯」
探偵小説界の牽引者、現在も根強い人気で、初期は本格探偵小説の短編が多く、その後本格探偵小説は少ないですが名探偵明智小五郎が活躍する長編は読みやすく楽しめます。
その他、海外探偵小説の紹介、トリック分類、評論等八面六臂の活躍でした。
4島田荘司 「占星術殺人事件」「斜め屋敷の犯罪」「奇想、天を動かす」
乱歩賞候補作「占星術殺人事件」は衝撃的で、解決編袋とじの本を見つけたとき狂喜乱舞しました。その後質の高い本格探偵小説を量産しています。名探偵御手洗潔、吉敷竹史が活躍します。文学賞は受けておらず無冠の帝王です。
5綾辻行人 「霧越邸殺人事件」「迷路館の殺人」「暗黒館の殺人」
本格冬の時代から春へ、「十角館の殺人」から始まった新本格、館物を中心にホラーよりの本格探偵小説が楽しめます。
6泡坂妻夫 「乱れからくり」「しあわせの書」「花嫁のさけび」
探偵小説専門紙「幻影城」第一回佳作受賞者、名探偵亜愛一郎の珠玉の短編、趣向満載の長編多数、マジシャンとしても活躍しました。
7二階堂黎人 「人狼城の恐怖」「悪霊の館」「吸血の家」
鮎川哲也賞候補作「吸血の家」等ディクスン・カーに影響を受けた大技のトリックが得意
名探偵二階堂蘭子が活躍します。二階堂家の崩壊は何時かな?
8連城三紀彦 「暗色コメディ」「造花の密」「私という名の変奏曲」
探偵小説専門紙「幻影城」出身、一時期探偵小説から離れましたが最後は情緒豊かな探偵小説に戻りました。
9折原一 「倒錯の死角」「異人たちの館」「倒錯のロンド」
江戸川乱歩賞を取ることで完成するはずだった「倒錯のロンド」をはじめ、叙述トリックが素晴らしい。
10栗本薫「グイン・サーガ」「絃の聖域」「鬼面の研究」
多方面に才能を開花させましたが、150巻にも及ぶヒロイックファンタジー「グイン・サーガ」が代表作、乱歩賞受賞の「ぼくらの時代」をはじめ本格探偵小説も見逃せません。
11笠井潔「サマー・アポカリプス」「バイバイ・エンジェル」「天啓の宴」
角川小説賞受賞で野生時代に「バイバイ・エンジェル」一挙掲載でデビュー、哲学的な本格探偵小説で矢吹駆シリーズも最終作10作目連載中です。伝奇SF「ヴァンパイアー・ウオーズ」も。
12梶龍雄「龍神池の小さな死体」「海を見ないで陸を見よう」「ぼくの好色天使たち」
乱歩賞受賞後質の高い本格探偵小説を多作していました。中期以降は新書で発売が主で文庫にならなかった作品が多々あります。最近徳間文庫で数冊復刊されましたが途絶えています。もっと評価されてもいい作家です。
13中町信「散歩する死者」「心の旅路連続殺人事件」「自動車教習所殺人事件」
創元推理文庫と徳間文庫で何冊も復刊されたので、最近の人も読んでいると思いますが、初期の作品は面白いです。後期になるとみんな同じになってしまいましたが。
14天藤真「殺しへの招待」「善人たちの夜」「陽気な容疑者たち」
乱歩賞候補作でデビュー。全作品高水準で、ユーモア本格探偵小説です。
15三津田信三「首無しの如き祟るもの」「厭魅の如き憑くもの」「忌名の如き贄るもの」
刀城言哉シリーズは、ホラー本格探偵小説で、すべて高水準です。
16京極夏彦「絡新婦の理」「鉄鼠の檻」「魍魎の匣」
京極堂シリーズはハズレ無しの妖怪本格探偵小説、とにかく分厚い。
17小島正樹「奇談の島」「扼殺のロンド」「祟り火の一族」
海老原シリーズを中心に、トリック満載のやりすぎ本格探偵小説が楽しめます。
18加賀美雅之「双月城の惨劇」「監獄島」「風果つる館の殺人」
ディクスン・カー初期作品の名探偵バンコランに似たベルトラン探偵が活躍します。
作品数は少ないですが、高密度の探偵小説が楽しめます。もっと読みたかった。
19門前典之「浮遊封館」「建築屍材」「屍の命題」
鮎川哲也受賞後数年おきに大いに癖のある本格探偵小説を出しています。一冊も文庫化されず、最新作は文庫書下ろしで発売されています。
20麻耶雄嵩「翼ある闇」「隻眼少女」「夏と冬の奏鳴曲」
常に質の高い作品を出し続けていて、一癖も二癖もある本格探偵小説満載。