【お待たせいたしました。翻訳ミステリー福島読書会の豹頭王が選ぶミステリーベスト20を今年もお送り致します】


FLW112

1. 仕掛島 東川篤史 東京創元社
2. 名探偵のいけにえ 白井智之 光文社
3. 方舟 夕木春央 講談社
4. 録音された誘拐 阿津川辰海 光文社 
5. 月灯館殺人事件 北山猛邦 星海社
6. ダミープロット 山沢晴雄 創元推理文庫
7. 煉獄の時 笠井潔 文芸春秋
8. 呪縛伝説殺人事件 羽純未雪・二階堂黎人 南雲堂
9. 名探偵に甘美なる死を 方丈貴恵 東京創元社
10. 観覧車は謎を乗せて 朝永理人 宝島社文庫

 2022年はまずまずでした。

 1は著者ひさびさの快作。最近は短編が多かったですが長編はいいですね。この仕掛けは好きだなあ。
 2は気持ち悪い作品を次々発表していた著者ですが、初めて気持ち悪くない作品でした。このような作品を期待していました。今後はこの路線でお願いします。
 3は極限状態での殺人事件でスリルとサスペンスが凄い。更に最後に唖然。
 4は毎年安定して佳作を出し続けている著者ですが、今年は誘拐物の新機軸、ハズレ無しで安心して読めます。
 5は長年佳作を出し続けている著者、相変わらず高水準の館ものです。
 6はかなり前に同人誌に発表されたものですが、初の一般書籍化です。本格探偵小説愛が溢れています。
 7大御所の矢吹駆シリーズ超大作です。読むのに一週間かかりました。過去の矢吹駆シリーズへの言及もあるので処女作「バイバイ、エンジェル」から順番に読むとより楽しめます。
 8は二階堂黎人30周年記念作品合作ですが、内容は古きよき探偵小説。犯人はある程度予想が付きますが好きな人にはたまりません。
 9は鮎川賞受賞から3作目。安定して高水準の作品を書いています。
 10は宝島ミステリー大賞優秀作受賞第一作、1回読んだだけでは仕掛けは完全には分かりません。2回読んでも難しい、3読必至です。

 2023年は、綾辻行人館シリーズ最終巻「双子館の殺人」がメフィストで連載スタートしますね。二階堂蘭子シリーズは二階堂家の崩壊最終巻は無くなったということなので新作を期待。刀城言耶シリーズと海老原シリーズの新作を期待して!!

ついでに、
2022年海外ミステリーベスト10
1. 名探偵と海の悪魔 スチュアート・タートン 文藝春秋
2. キュレーターの殺人 M・W・クレイヴン ハヤカワミステリ文庫
3. 窓辺の読書家 エリー・グリフィス 創元推理文庫
4. 殺しのライン アンソニー・ホロヴィッツ 創元推理文庫
5. 優等生には向かない殺人 ホリー・ジャクソン 創元推理文庫
6. ヨーク公階段の謎 ヘンリー・ウェイド 論創社
7. デイヴィッドスン事件 ジョン・ロード 論創社
8. 暗闇の梟 マックス・アフォード 論創社
9. 彼は彼女の顔が見えない アリス・フィーニー 創元推理文庫
10. ポピーのためにできること ジャニス・ハレット 集英社文庫